日本では1968年7月にATG系・新宿文化等で公開された1966年のフランス映画・「男性・女性(Masculin, féminin)」は私が見た最初のジャン=リュック・ゴダール作品であった。撮影は1965年のパリ、ポールとマドレーヌの男女を中心に若者の日常を描いた映画である。ゴダール作品としては1965年の『気狂いピエロ』と1967年の『中国女』『ウイークエンド』の間に挟まれた低予算のモノクロ映画であるが、スクリーンのテロップに流された当時の若者を表象する『コカコーラとマルクスの子供たち...』の言葉が表しているように、1968年のパリ五月革命へ繋がる60年代の世相や風俗を知る上で貴重なフイルムである。その映画のヒロイン、歌手志望のマドレーヌを演じたのがChantal Goyaである。売り出し中のアイドル歌手・シャンタル・ゴヤの主演映画として企画されたとも云われているが、アイドルのプロモーション映画を作るのに一番相応しくないゴダールに...頼むかと疑問が湧く。他のゴダール作品同様、文脈と無関係に唐突にポールは窓から転落して事故死。警察で調書を取られるマドレーヌ...彼女のお腹には...
窓から転落死したポールを演じているのはジャン=ピエール・レオだが、パゾリーニの『豚小屋』で豚に喰われて殺されてしまう役よりは未だましか...。それにして60年代の映画は煙草の煙でもうもうとしている。
『コカコーラとマルクスの子供たち...』はこのPart9の7:40辺り...
と云うことで「迷い」から吹っ切れたマドレーヌ..いや、シャンタル・ゴヤはアイドル歌手を捨て、唄のラパン.. いや唄のオネーサンから..........と転身していたのでありました。歳月は...
追記:シャンタル・ゴヤは日本国内でもシングルデビューしていたのですね、41年の間、全然知らなかったです。ゴダールの力を持ってしても...France Gallほどはフレンチ・ロリータでもなかった所為か...日本でブレイクすることはなかったようですね。
Posted by S.Igarashi at June 27, 2009 09:26 AMkawaさん、どうもです。
この映画はやはり『気狂いピエロ』の影に隠れて目立ちませんですね。
あのうさぎさんは子供番組でしょうからゴダールとは無関係でしょう。
ゴダール好みの女性はアンナ・カリーナから中国女のアンヌ・ヴィアゼムスキーとタイプが一貫して分かりやすいですね。この映画のシャンタル・ゴヤもゴダール好みに仕上げられているみたいですね。
見た事がありませんでした。
けれど上の写真や白黒の動画にはIGAさんの仰る一貫した女性趣味が伺える様に思います。
うさぎさんからは彼の趣味が感じられませんでした。
彼の一貫した女性趣味には素材も大切ですが、彼の演出に依る所も大きいのだなぁなどと思いました。