March 29, 2008

Abby Mann

朝刊・死亡記事の「A・マン氏死去 米脚本家」が目に付いた。"Abby Mann"の名は「刑事コジャック」のエンドタイトルで見ていたので記憶があったが、映画・ニュールンベルグ裁判の脚本家とは知りませんでした。どおりで「刑事コジャック」の台本がしっかりしている筈です。こうした社会派でありながら、大人が楽しめるエンターテインメントの作品が少なくなったの残念なことです。そう云えば再開発に伴う「地上げ屋」と云う言葉を初めて耳にしたのは「刑事コジャック」でした。それから10年程して日本でも頻繁に耳にするようになった訳で、マフィアとヤクザの違いはありますがニューヨークで社会問題となったことが、数年後に日本でも起こることを実感した憶えがあります。

1979年に「刑事コジャック」が終了して1980年代以降、海外ドラマが放送されることは極めて少なくなりました。その理由を考えるとドラマの制作にテレビ局よりも広告代理店の関わる比重が増大した為と思われます。俗に云うトレンディドラマが台頭し、キャスティングからロケハンまで、ファッション、トレンドスポット、インテリア、テーマ音楽、等々と様々な企業とタイアップを図り、彼らの最終目標である消費の拡大により大衆を支配するのが目的へと変化しました。広告代理店にとって海外ドラマではそうした旨味がない訳ですから、廃れるのは当然なのでしょう。海外ドラマだけでなく洋楽も主流ではなくなり、洋楽を聴かない世代も表れました。例外的に韓流がブームとなりましたが、NHKの海外ドラマシリーズが震源地で広告代理店は蚊帳の外だったのが幸いしたのかも知れませんね。

Posted by S.Igarashi at March 29, 2008 12:13 PM