January 16, 2008

文庫本のように...シネマを...

SOLARIS-USSR.jpg

12年前に「文庫本のようにしてシネマを持ち歩きたい。」なんて考えたこともなかった。DVDもiPod touch 100%に紹介されていた"HandBrake"を使えばiPod touchに最適化された"m4v"にエンコード可能だ。欠点はエンコードに時間が掛かることだが、それは深夜のオフタイムに、Macに一人で働いて貰えば済むことでもある。シネマは銀幕で見るモノと云うのは理想であるし、当たり前すぎる。ビデオやDVDで見るにしてもモニターのある場所と時間に拘束される。文庫本の場合は机に向かってかしこまって読む人は少ないだろう、家で読む場合もリラックスした姿勢で読むだろうし、場所や時間等の外的条件に拘束されないで読めるのが文庫本の良さでもある。
追記:Macworld S.F.2008で20世紀フォックスとアップル、iTunes Digital Copyを発表とある。「DVDにiTunesで再生できる映画を無料で収録」と云うことなので、これなら時間を掛けてエンコードする必要がなくなるのだが国内対応は...どうなるか。

と云うことで"iPod touch"で見るシネマであるが、スクリーンの小ささが長所にもなることが解った。銀幕で観るシネマは常にその一部分にだけ注意が注がれ、意識していない物は見ていない、いや見てはいるが脳に記憶として定着されることはない。"iPod touch"の3.5インチのスクリーンは視線を移動しなくても全体を注視することが可能だ。もちろん、この3.5インチのスクリーンで一時間も二時間も見続けるのは辛い、それは文庫本も似たようなもの、好きな時に休憩ししたり、中断したりする。それは何時でも続きが読めるからである。"iPod touch"も"iTunes"と同期することで、"iTunes"で見ていたシネマの続きを"iPod touch"で見たり、別な"iPod "を"iTunes"と同期してそれをDockに差して、テレビに繋いでその続きを見る、なんてことも可能なのである。
その昔、神保町の岩波ホールで見たタルコフスキーの「惑星ソラリス」のDVDを手に入れたものの、夕食後、テレビの前で三時間近く集中力を持続させるのは困難を極め、途中で白川夜船となること度々であったが"iPod touch"で20〜30分くらいずつ集中して見た方が、より内容に近づくことができた。(ような気がする。)これも新しいシネマ観賞法の選択肢の一つなのだろう。

SOLARIS-USSR2.jpg
「惑星ソラリス」の未来都市は東京であった。


SOLARIS-USA.jpg
ジェームス・キャメロン制作の「ソラリス」はミスキャスト...のような...。ジョージ・クルーニーは未だしも...他が...。


BLADERUNNER-DIRCUT.jpg
ブレードランナーのLDは日本公開の劇場版を持っていたが、DVDはディレクターカットの最終版、デッカードとレイチェルがアパートから逃避するエレベーターホールのシーンで終っている。

2001-space-odyssey.jpg
最近、このシーンをパクった携帯電話のCFがあったような。某有名建築家がこの無彩色なセットに触発されて、観念的なベクトルだけで構成された建築空間を構築しようと試みたことがありましたが、こうして見ると無彩色ではないですね。でも、当時は映画の封切りが終ってしまうと、それを確かめる術がなかった。

Posted by S.Igarashi at January 16, 2008 05:05 AM
コメント

どうもです。
家庭用液晶テレビが大型化する傾向で、その対極にあるガジェットにiPod touchのような選択肢が増えたのが面白いですね。ただiPod touchはDockに繋いでもビデオ出力できないので、iPod classicの存在価値はまだまだ高いものがあります。

Posted by: iGa at January 7, 2008 12:52 AM

先生におかれましては、研究が進んでおられますですね。

ところで、昨年、iGa さんの iPod のムービーを iPod touch で見た玉井さんが、まったく不満を感じないと言っておられましたです。おっしゃるように映画を携帯する時代到来ですかね。

Posted by: AKi at January 6, 2008 11:03 AM