官邸崩壊 安倍政権迷走の一年・上杉隆・著、新潮社刊
昨日の事態を予知していたかの様である。
ベンジャミン・フルフォードのブログで首相に引導を渡したと推測されている記事であるが、恐らくは本日発売の週刊文春の上杉隆による記事ではなかろうか。掲載誌が新潮でなく文春と云うのは、色んな事情があるのだろう。
ひとまず、虚ろに空を彷徨い、時折懇願するようなカメラ目線を見なくて済むのは有り難いが、それにしてもKYどころか、これほど適性に欠いた人間を首相に仕向けた連中の罪は重い。ところで、官邸のメディア対策について読んでいると、相撲協会理事長の言動に重なる部分も多いのだが、、。
「大竹紳士交遊録」: 【9月12日 大森望(辛口書評家)】で急遽紹介
と云うことで、一日で読了しましたが、「美しい国へ」の出版企画段階でのタイトルが「ぼくらの国家」だったとは、まさにホイチョイ・アベ内閣による気まぐれコンセプトそのものでした。
ところで表紙・腰巻きに書かれた戦犯とはこの人物と自民党のゲッベルスと云われたこの人物です。彼ら「チーム安倍」を称して「少年官邸団」と揶揄したのは週刊新潮だそうでが、リーダーとなる小林少年もチームワークも欠如していたのでは乱歩も偉い迷惑です。
「官邸崩壊」を読んでいると、安倍内閣が第二次世界大戦末期の東条内閣のように思えてきます。
この、危機管理能力の欠如した「チーム安倍」が憲法9条を破棄して再軍備しようと願っていた訳ですから、そら恐ろしいことです。その泥舟から逸早く遁走を決めたのが、泥舟の船長な訳で、これではリーダーシップを疑われても仕方ありませんね。「自民党を壊す」と言った小泉の言葉が現実味を帯びてきましたが、、、。
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
第116回 政界を大混乱に巻き込んだ安倍首相電撃辞任の真相 (2007/09/13)
第117回 週刊現代が暴いた“安倍スキャンダル”の全容 (2007/09/14)
鎌田慧(かまたさとし・ルポライター)が東京新聞・本音のコラムでこんなこと書いてました。その一部を、、、
『 、、、もともと、砂上楼閣の内閣で、国民の支持基盤が弱かったのだから、倒壊は時間の問題だった。だから、テレビや新聞がこの段におよんでも、まだわざとらしく、トップニュースで報じるのをみると、鼻白むだけだ。 弱いものいじめと強行採決をやりたい放題やってきた、鼻つまみ一家の跡目相続にすぎない。その報いとしての混乱の修復に手を貸すのは、民意を裏切ることになる。、、、』
世の中、あの安倍のことはすっかり忘れ、自民党時期総裁選で浮かれていますね。
演説を聞いている誰も選挙権もないし、唯の一政党の行事の筈なのにマスコミは大騒ぎと、永年の自民党一党独裁の世界にどっぷりとつかったままのようですね。
そういえば、冷泉彰彦氏の昨日付けの「『反テロ戦争』の現在(911六周年)」でも書かれてますね。
『「給油は国際公約」だと思い詰めている姿は、ただひたすらに不自然に思えます。』と、更に『そうした言動が政治的モメンタムを獲得するための芝居であるのなら単に不誠実なだけですが、』とその言動を看破してます。そして『もしかして国際社会を理解する上での情報不足、時
間感覚のズレがそこにあるのだとしたら、これは恐ろしいことだと思います。』と結んでます。これは、危うい「少年官邸団」に対しての言葉でしょうね。まったく同感です。
朝日新聞はトップで取り上げるでしょうね、少年官邸団の井上某から徹底的に毛嫌いされ蚊帳の外に置かれていたようですから。
それにしても懲りない政治家と、反省しないメディアですね。
この本の著者もそうですが、NHK報道局から代議士秘書へ転職、今度は海外メディアの記者を経験してフリーとなったように、メディアと政治家との距離感が問題ですね。角栄のロッキード事件然り、江副のリクルート事件然り、政治部記者は事件化される前から「そんなこと知ってる」のが当たり前だった訳ですからね。
本書の中でも官邸と近い関係にあった政治部記者にNHKの女性記者と産経新聞の二人の記者が実名で書かれてますが、その結果は推して知るべしでしょうか。
本日16日の朝日新聞読書欄のトップが本書でありました。
世の中、いつのまにかステージは第2ステージというのが恐い感じであります。