May 17, 2007

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ
久しぶりに面白い新書を読んだ。字幕なしの原語で外国映画を楽しめたらどんなに良いだろう。しかし生憎と英語をはじめとして外国語は全て苦手で字幕に頼らざるを得ないのが現実である。それでも字幕の存在を忘れて銀幕の世界に入り込んでしまう映画と、逆に妙に字幕が気になって銀幕の世界に集中できない映画もある。何故だろう?そうした疑問を一度でも抱いたことがあるなら、本書を読めば、成程と合点が行くだろう。「一秒間に四字」が、人が字幕を読める速度だそうだ。字幕屋はフィルムを通しで見てから、俳優が台詞を喋っている秒数に合わせて、観客が読める文字数を計算し、台本と照らし合わせながら翻訳をする。だが、それだけではなく、口にしてはいけない言葉(スラングが字幕に直訳されることはない)、差別語、日本語読解能力の低下、無理難題を押し付ける配給会社のアホな営業担当者、等々、様々な難関を潜り抜け、それも短期間に一本の映画の字幕が作られていたのだ。そして、我々も字幕から行間を読む能力が試されているのである。

Posted by S.Igarashi at May 17, 2007 10:10 AM