April 04, 2007

すみだ川

古本屋で買ったままにしてあった復刻版のすみだ川が積読状態の本の間から出てきた。折角、顔を見せたのだから読まないと本に申し訳ない。奥付を見ると大正四年発行の改訂版を復刻したもので昭和52年(16刷り)に発行されている。因みにネット古書店では1500円もするが、高尾の古本屋では美本で400円だった。そして表紙絵はOld-MacUserなら知っている「髪梳ける女」で有名な橋口五葉だ。
旧仮名遣いは読み始めるまでは取っ付き難いが、読み出すと漢字にルビも振ってあるので、当時の言葉遣いがリアルに伝わってくる。何しろ第4回アースダイビング吉原御免状ミニダイブで徘徊した界隈が舞台なので余計にそう思うのだろう。小説を読んだのは初めてだが「すみだ川」は何となく子供の時分から、新派の芝居や歌謡曲で「タイトル」等は知っていた。もしかすると、新橋演舞場か明治座辺りで芝居を観ていたのかも知れない。

Posted by S.Igarashi at April 4, 2007 02:21 AM
コメント

じんた堂 さん、どうもです。
僕も荷風は「ふらんす物語」を読んだだけですが、既に揮発性メモリーからその情報は失われているようです。(^_^;)
Earthdiving的に「すみだ川」で面白いと思ったのは、今戸に住む長吉が伯父と別れて本所辺りを歩いている風景描写で湿地帯を強調している処ででした。その辺りと比較すると浅草は待乳山も控え、デルタ地帯の中の高台だったんですね。
小学二年で山里に越して以来、すっかり高尾の山猿と化してますが、同世代でも練馬や中野で育った友達はそんな体験してないようですから、訳の解らない子供を芝居に連れてゆくなんてやっぱり下町なんでしょうね。内容は理解できなくても新派特有の台詞の言い回しとかは、お蔭で耳についてますね。(^_^;)

Posted by: iGa at April 7, 2007 12:24 PM

iGaさん、こんばんは、
永井荷風は、墨東奇談と短編集しか読んでいないのですが、水辺、とくに川の描写の巧みさが印象に残りました。たとえば墨東奇談の「夜は堀にかけられた正法寺橋、山谷橋・・・橋の灯がわずかに道を照らすばかり」などは、実際に歩いてみると現代にも通じる描写になるほどと感心してしまいます。建物はビルとなり全く違う家並みになっているのに、川は埋められても、かつての川筋の面影を今も強く残しています。なにか地力というか川力のようなものがあるのでしょうか。それにしても”新橋演舞場か明治座辺りで芝居を観ていたのかも知れない”と、さらりと語るiGaさんに脱帽です。こういうセリフは、よほど粋な人で出ないように思いますが・・・。

Posted by: じんた堂 at April 6, 2007 11:53 PM