September 16, 2006

気になるデータ

今朝の東京新聞・TOKYO発の特集記事は「下町発長寿大作戦・23区の平均寿命 『西高東低』脱出へ」であった。所謂、東京下町は隅田川、荒川流域のデルタ地帯の平均寿命が他と比べて低いと云うものであるが、その根拠になっている厚生労働省大臣官房統計情報部による平成12年(西暦2000年)市区町村別生命表の概況を調べてみた。そこに都道府県別の市区町村別平均寿命の統計表が公開されており、Excelの.xls形式のデータもダウンロードできるようになっている。と云うことで、そのExcelのデータを取込んで平成12年度東京都平均寿命を表にまとめてみた。

記事では23区内だけであるが、多摩地域と諸島地域のデータも取込んでいる。すると、男女ともベスト3にランクしているのが三鷹市である。そして最下位の61位は男女とも奥多摩町である。男性の場合は低湿地帯の53位・江東区、54位・葛飾区、56位・墨田区、57位・足立区、59位・荒川区、60位・台東区の最下位グループに割り込むように52位・日の出町、55位・檜原村、58位・瑞穂町が並んでいる。奥多摩、日の出、檜原は東京の過疎地帯なので医療施設の遅れが考えられるが、不可解なのが横田基地を抱える瑞穂町だ。

男女共、ワースト10にランクされているのは足立区、荒川区、墨田区、そして西多摩地域の奥多摩町、檜原村、日の出町である。
さて、私の生まれた足立区と現在住んでいる八王子市との比較であるが男性で2.2年、女性で1.6年と寿命に差がある。何れにせよ大気汚染等公害が深刻化する兆しが見えてきた昭和32年に郊外への転居を決断した両親に感謝すべきなのだろう。


Posted by S.Igarashi at September 16, 2006 02:26 PM
コメント

iGaさん、こんにちは。iGaさんは、公害って言葉さえない昭和20年代に、足立区で幼少の頃をお過ごしになったのでしたね。「ベスト10の緑に塗られた市区町村は革新系が強かった地盤」というのも、おもしろいご指摘ですし、かつての東京の環境破壊を体験された方ならではのご指摘だと思います。保守-革新という対立があった時代は、革新自治体のほうが、環境保全や公害規制に熱心でしたからね〜。けっきょく、生涯にわたって晒されるリスクの総量をどれだけ減らせるかということになるのでしょうね。

Posted by: わきた・けんいち at September 17, 2006 05:30 PM

わきたさん、どうも。
西多摩地域のワーストは鉄道等の公共交通機関に恵まれていない地域ですね。そして日の出町には、先日ダイオキシン流失問題の訴訟で住民側が敗訴した多摩地区のゴミ最終処分施設があるのも気になりますし、横田基地周辺がワーストなのも不可解です。
何れにせよ環境面やら生活意識やら、男性の場合は仕事の危険度やら、多面的な要因があるでしょうね。
それと、ベスト10の緑に塗られた市区町村は革新系が強かった地盤だったのも興味深いですね。

Posted by: iGa at September 17, 2006 11:03 AM

iGaさん、こんばんは。興味深い記事ですね。新聞記事のなかにある、医療関係の専門家の指摘にも関心を持ちました。まあ、あくまで様々な要因からの推測のようですけど。世界のなかに位置づければ、ワーストであっても長寿であることには間違いないわけですが、この微妙な差異にはなんだかこだわってみたいな〜。先日来、『Kai-Wai散策』で東京0m地帯(元・湿地帯)の地理や金現代史の問題について、盛り上がってるわけですが、そこでの議論とも関係してきますかね。興味深い記事のご紹介、ありがとうございました。

Posted by: わきた・けんいち at September 16, 2006 10:42 PM