ダーリンの頭ン中ISBN4-8401-1226-6(950円+税)
小栗 左多里(著)、トニ−・ラズロ(著)
先日"英語でしゃべらナイト"のゲストとして出演した漫画家・小栗 左多里のダーリンことトニ−・ラズロ氏の話が面白かったので書店で見かけた"ダーリンの頭ン中"を即購入、期待以上に面白い。副題に「英語と語学」とあるが、これは目からウロコの文化人類学の本と言っても間違いではない。
vol.2の『"The"の真実』では定冠詞"The"が母音の前にくると"ジ"と読むことなどネイティブは学校で教わらないし意識したこともないという、それに"ジ"と読むことが絶対正しいともいえないという。
中でも興味を引いたのはvol.7の『んんん、んんん...。』ここでは日本語の音節(シラブル)について取り上げている。日本語の仮名のような音節文字は、どんな文字でも一様に発音すると日本人は思い込んでいるが、『ん』は"n"の場合もあるし"m"の場合もあるし、それに「○○です。」の「です。」は"des"と子音で終わっていると"ダーリン"は指摘する。そういえば私の名前をローマ字表記すると"Susumu"だが、自分でもこのローマ字通りというか音節文字通りに発音していないことに気付いた。自分で発音していながら子音を聴き取る能力が劣るので正しいか定かでないが、どうも"Susmu"と言っているか"SUsuMU"と言っているような気がする。外国人が喋る日本語の発音がおかしいのも耳で憶えたものでなくローマ字表記通りに発音するからだろう。
昔、金田一春彦氏がテレビコラムで日本語の音節の話をしていたことがある。音節は日本語で約114、ハワイ語で88、北京語で約400、仏語で約700あるそうだ。そのとき、日本語よりも音節の少ないハワイ語ではホノルルとかカメハメハとか繰り返しのある言葉が多くなるとか。また日本語の"みゅ"と云う音節は「大豆生田(まみゅうだ)」と云う姓を発音するだけにあると言っていたのを思い出した。そういえば、今ではあまり使われていない仮名の"ゑ"は"e"じゃなくて"ye"なのだ。ということで、またしても本題から脱線してしまった。