先週12月11日土曜日の番組表に美の巨人たち イタリア・幻想の宮殿の超絶トリックの文字があった。内容は不明だが、いちおうビデオチェックだけはしておいた。騙し絵(トロンプ-ルイユ)や遠近法を駆使したトリックはイタリア・ルネッサンス以降盛んに用いられている手法なので何が出るかお楽しみであった。蓋を開けたらジュリオ・ロマーノのパラッツオ・デル・テであった。このイタリアはマントヴァにある「パラッツオ・デル・テ」は一度は尋ねてみたいと思っている建築の一つである。それにマントヴァにはレオン・バッティスタ・アルベルティの建築もあるのだ。
domus1989年11月号に改修された「パラッツオ・デル・テ」の特集が掲載されている。改修前の写真や平面、立面などの図版も豊富で、ルネッサンス後期・マニエリズムのオーダーやオーナメント、ペディメント等に見られるポストモダン的デザインが良く解る。奇想を凝らしている部分が随所にあるが全体は破綻することなく纏められている。特に庭園に面したセルリアーナ(セルリオ式アーチ)を持つファサードが美しい建物。用途は愛人の為に作られた別邸。
磯崎新の建築談義#08
パラッツオ・デル・テ(16世紀)写真 篠山紀信
磯崎新に五十嵐太郎がインタビューする形式、磯崎新の博識は並みの建築史家を超えるものがある。