August 31, 2004

ムーアのジレンマ

先のエントリー華氏911で、この映画は彼の著書「アホでマヌケなアメリカ白人」のエピローグが映画制作の動機付けとなっていると書いた。それはムーアが2000年の大統領選で緑の党ラルフ・ネーダー候補の陣営で選挙運動に参加したため、民主党の票がラルフ・ネーダーに流れ、ブッシュを当選させることに繋がったと『全ての責任は自分(ムーア)にある』と述べている。だから、是が非でもブッシュをホワイトハウスから追い出せねばならない、と云う事である。

ムーアとラルフ・ネーダーの関係も複雑である。元々、ムーアはラルフ・ネーダーのオフィスで働いていた。しかし、次第にムーアが映画作りをするようになり、それを快く思わなかったラルフ・ネーダーからオフィスを追われることになる。しかし、2000年の大統領選でラルフ・ネーダーから選挙の応援を頼まれる。そのとき、ムーアはゴアの応援をしようと心に決めていたが、どちらかを選ばなければいけない、そこでムーアはゴアに手紙をしたためたが、ゴアから届いた型通りの返事に落胆し、かっては世話になったことのあるラルフ・ネーダーの応援にまわった。それでも、ムーアはラルフ・ネーダー陣営にいながら、ゴアに投票するよう訴えていた。
民主主義は多様な考え、マイノリティの意見が尊重されてこそ意味がある。米国でも二大政党制に疑問を抱いている人たちは大勢いるが、それらのリベラルな考えを持つ人は民主党の支持層とダブってしまうのである。先の大統領選のように全体得票数ではゴアがブッシュを上回っていたにも関わらず落選するなど、米国の選挙制度も日本と同様に欠陥だらけである。

爆笑問題が斬る!マイケル・ムーアの“アホでマヌケなアメリカ白人(1)”
9月10日(金)2:25〜3:40(9/9の深夜) テレビ東京  Gコード(9683565)
爆笑問題が斬る!マイケル・ムーアの“アホでマヌケなアメリカ白人(2)”
9月11日(土)3:10〜4:30(9/10の深夜) テレビ東京  Gコード(2847904)
木曜洋画劇場【特別企画】
ボウリング・フォー・コロンバイン BOWLING FOR COLUMBINE
テレビ東京 9月16日(木) 午後9:00〜11:24

Posted by S.Igarashi at August 31, 2004 01:39 PM | トラックバック
コメント

本日放送の「ボウリング・フォー・コロンバイン」をビデオ予約しておいた。深夜放送のマイケル・ムーアの“アホでマヌケなアメリカ白人” は爆笑問題が余計、内容は米国社会の理不尽な部分をマイケル・ムーアがアポなし突撃取材するもの。
昔はテレビドラマでもペリー・メイソンや刑事コジャック等の社会派指向があって社会の理不尽さを訴えていたけれど、今はどうなのだろうか。

Posted by: S.Igarashi at September 16, 2004 02:10 PM