July 13, 2004

12.5%

この数字はどこかの政党の投票率ではない。三菱ふそう製大型車のクラッチハウジングのリコールに対する実施率である。つまり残りの87.5%のリコール対象車(約65000台)が、未だに路上を走っていると云うことだ。
東京新聞:三菱クラッチ、亀裂から破断一気 リコール低調、重大事故の恐れ
朝日新聞:三菱欠陥車事件・特集にあるクラッチハウジングのイラスト。
しかしながら、クラッチハウジングが真っ二つに裂け、エンジンからトランスミッション部分が脱落するなんて考えられない欠陥である。男子なら中学の技術家庭科で内燃機関の仕組みを教わり、特別教室に置いてあるエンジンを前に授業を受けている。運転免許を取得している者ならば、基本的なエンジンの構造を理解しているだろう。内燃機関であるエンジン本体とトランスミッションの間にクラッチがあり、それらはボルトで締付られ構造的に一体化されている。それがクラッチハウジング部分で前後に裂ける。このクラッチハウジングの欠陥は一般ユーザーの理解を超え常識をひっくり返すほどの問題である。つまり、ありえない、あってはいけない、ことが起きたのであり。このままでは、これからも起こるのである。
それにしても、87.5%の無関心は何だろう。これも不況のしわ寄せを一手に引き受けてきた運送業界に、既にリコールに対応する余力さえ失っているのかも知れない。

三菱重工は国内最大の軍事産業、かってはゼロ戦等の戦闘機も製造していた。戦争を体験した年輩の人たちにはゼロ戦の三菱、隼の中島飛行機と、その技術力に疑いを持たない人も多い。
しかしながら、特攻隊のゼロ戦は片道の燃料しか積んでおらず、乗員共々、基地には戻ってこない。そうした戦闘機を製造していた会社の幹部の意識構造が、第二次大戦後にどう変わったのだろうか。

Posted by S.Igarashi at July 13, 2004 09:28 AM | トラックバック
コメント

20日の朝日新聞では実施率14%、1.5ポイント増えたけどね。
http://www.asahi.com/national/update/0719/022.html
朝日新聞のこの記事の運送会社は四千台が全て三菱製、うち600台がリコール対象で点検を受けたのがまだ100台。
ちなみにNHKスペシャル「トラック・列島3万キロ」の運送会社はいすゞ製だった。同乗したNHK取材班も車を選んでるのかな。

Posted by: S.Igarashi at July 20, 2004 08:53 AM

昨日のNHKスペシャル「トラック・列島3万キロ」で運送業界の不況のしわ寄せを実証していたが、自動車業界で最も儲けているトヨタ自動車のカンバン方式も、流通で儲けているセブンイレブンも、道路を倉庫代わりに使ってトラフィック障害を起こしているし、その傾向は強まるばかり。

Posted by: S.Igarashi at July 19, 2004 03:54 PM