May 16, 2004

スラムダンク 間違いない!

5月14日のテレビ欄深夜TBS枠に【2:50 CBS】の文字があったので、もしかすると例のイラク人捕虜虐待事件を放送するかも知れないとビデオ予約しておいた。以前は日曜日の深夜枠だった【CBSドキュメント】は放送日も時間帯もすっかり窓際に追いやられた格好だ。報道のTBSと言われた局でさえも、この扱いである。如何にこうしたドキュメント番組が疎んじられているか、辺見庸の言う「権力のメディア化、メディアの権力化」を物語っているようにも思える。翌日、録画しておいたビデオを再生してみると、私の予想は外れ放送内容は「PLAN of ATTACK」を上梓したボブ・ウッドワード記者へのインタビューであった。
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CBS60minutes
「PLAN of ATTACK」については4月24日付けのメールマガジン[Japan Mail Media] 冷泉彰彦氏の『from911/USAレポート』 第142回「一冊の本が描き出す世界」に詳しく紹介されていたので、その概要は知っていたが、ボブ・ウッドワード記者の冷静な語り口はホワイトハウスの内幕を生々しく伝えるものであった。

予めCBS60minutesのスタッフはボブ・ウッドワード記者から取材テープを借り受け、「PLAN of ATTACK」と突き合わせ検証した結果、取材した人々の言葉をそのまま掲載していることが証明されたと云う。
2002年12月21日、大量破壊兵器の存在を証明するためにホワイトハウスに訪れたCIA長官ジョージ・テネットは「その資料だけでは国民を説得できない。」と言うブッシュに対し「ご心配なく大量破壊兵器の件はスラムダンクです。」ブッシュが再度確認すると「それはスラムダンク、絶対間違いない!」と答えたという。「スラムダンク」つまり外しようのないシュートの意味である。

2003年1月11日、ラムズフェルドとチェイニーはサウジアラビアのバンダール王子をホワイトハウスのチェイニーの執務室に招き、トップシークレット(国家機密つまり国外持ち出し禁止、もちろん外国人には見せてはいけない。)である計画をバンダール王子に伝えた。パウエルに計画を伝える2日前である。その2日後、ブッシュに面会したバンダール王子は大統領選への支援を約束し、大統領選直前に石油を増産し価格を下げアメリカ経済を上向かせると。
現在、国際石油価格が高騰している状況が、この夏以降にどう変化するのか正に見物である。

「父親からのアドバイスは?」ボブ・ウッドワードの質問に対しブッシュは「相談していない、私にとって父は忠告を求めるような相手でない。」「私が忠告を求めるのは遥か高みにおわす父、神だ。」と答えた。
2002年12月11日、ホワイトハウスでブッシュへの二度目のインタビューを終え、扉に向かって歩きながら「歴史はこのイラク戦争にどう云う審判を下すのでしょうね。」とボブ・ウッドワードが質問すると。「歴史だって? 」と、両手を広げ肩をすくめて「歴史だって、それは誰にも分からない。分かる頃には皆死んでいるだろうからね。」とブッシュは答えたという。

ブッシュの脳味噌は「スラムダンク」は理解できても「サスティナブル」は理解不能「それは計算されません。」
その上、大量破壊兵器は見つからず、「スラムダンク」外しようのないシュートを外してしまった訳で、脳味噌だけでなく運動神経にも問題が判明した訳で、それを支持する忠犬純一郎も駄犬ということ。

尚、TBSワシントン特派員・金平茂紀氏によるホワイトハウスから徒歩5分にもウッドワード記者の「プラン・オブ・アタック」の衝撃の見出しで掲載されている。

因みに「イラク人捕虜虐待事件」は次週(5/21深夜26:50)の放送になります。米国での放送が4/28日だそうですから、約3週間のタイムラグがあるようです。

Posted by S.Igarashi at May 16, 2004 08:46 AM | トラックバック
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