最近、自分が使っているPowerMac G4 (AGP Grahics) 350MHzがノロマに思えて仕方ない。一昨年買ったiBook G3 600MHzよりもノロマである。特にそれを感じるのはAdobeのAcrobat 6.0 ProfessionalとInDesign である。まだAdobe Creative Suiteにアップグレードする気になれないのはCPUが非力な為でもある。G5にグレードアップすれば解決するのだろうが諸般の事情がそれを許さない。かと云って、今更、G4のデュアルブートに投資する気もない。やっぱりハードウェアは5年は使いたいので延命措置を施すことを考えた。つまりCPU Cardのグレードアップである。沢山あったアクセラレータ・メーカーも今では数えるほど、選択肢は限られているので、躊躇なくSonnetをその第一候補とした。問題はMacOSX10.3 Pantherへの対応と適正なコスト・パフォーマンスである。取りあえずLINK CLUB ONLINE SHOP にアクセスしてG4 Cardを検索して、そこにあったアドレスからSONNETのホームページにアクセスしてみた。MacOSX10.3 Pantherへの対応は問題なさそうである。オンラインストアもあり代金引換で購入可能なので直接SONNETのオンラインストアに注文することにした。
注文したCPU Cardは【Crescendo/ST G4 1GHz, 2MB Cache (SG4-1000-2M)】だ。Power Mac G4 AGP Graphicsを1GHzの高速マシンにと書いてある。価格は40,800円でLINK CLUB ONLINE SHOPよりも安かったのでこれに決めた。折り返し注文確認のメールが届いた。
そして、その3日後に発送案内のメールが届いた。日通のeペリカン(@HOMEEXPRESS)で4〜5日間でお届けできますと書いてある。日通航空の「お荷物お届け情報」から荷物がどこにあるのか検索できるようになっている。これを見ると荷物は未だロサンゼルス空港にあった。つまりSonnet Technologies, Inc.は日本向けのオンラインストアもカルフォルニア州オレンジ郡の本社に置いてあるのだ。きっと日本人スタッフが日本向けのオンラインストアを担当しているのだろう。
と、云うことで太平洋を飛び越え成田の税関を通過して昨日の午後3時に無事到着、代金を支払い後はPower Mac G4にインストールするだけである。
パッケージもインストールマニュアルも全て日本語で懇切丁寧に書かれている。それでもインストールに不安な方は代理店の専門スタッフにご相談下さいとある。向こう見ずな私は、もちろん専門スタッフに相談することなく自分でやります。
先ずはファームウエアのバージョンを確認、問題ないので起動中のPower Mac G4をシステム終了させ、充分なクールダウンを取るために作業は夕方から始めることにした。
Power Mac G4から電源ケーブルを抜き、周辺機器のケーブルも抜いて側面パネルを開く、ヒートシンクを外してから、CPU Cardを外す。
パッケージからアップグレードのCPU Cardを取り出し、ソケットプラグの保護カバーを外してマザーボードのソケットに差し込みビスで固定する。先程、外しておいたヒートシンクを再び取り付ける。ヒートシンクの取り付けが不適正の場合、CPU Cardが熱暴走する恐れがあるので、正しく固定されているか確認をしてから側面パネルを閉じて、ケーブル類を接続して起動する。無事に再起動する。
取りあえずネットワークを確認、Safariを立ち上げサイトにアクセス、画面スクロールが軽快だ。アクセラレータを取り付ける前に計測してあったVectorWorksのデータを立ち上げて、RenderWorksでレイトレーシング、テクスチャーマッピングさせてレンダリングする。4分15秒掛かったレンダリング時間が、1分5秒で終了した。今まで辛かったAdobe Acrobat 6.0 やAdobe InDesign のリドロウやスクロールも快適になった。
CPUのクロックスピードを確認するためにシステム・プロファイルを開く、すると【CPU速度:1.20GHz 】となっていた。そう云えば、Newerとかインタウェアのアクセラレータも微妙にCPU速度がカタログスペックよりも早いことがあったから、Sonnetもそうなのかなと思った。シリアル番号を確認しようと気がついたが、既に製品はMacの内部にあるので、念のためにテクニカルサポート書類に目を通してみるとパッケージ横のステッカーに記載とあるので、パッケージを確認するとステッカーに書いてある型式は【Sonnet Encore/ST 1.2GHz G4/ 2MB SDR】と記されている。どうりで【CPU速度:1.20GHz 】なら当然の結果である。ペリカン便のパッケージにはちゃんと【Crecendo/ST 1GHz G4/ 2MB Cache】記載されているから、発送するときに間違えたのだろう。
このまま、黙っていれば儲け物と小市民的発想が一時頭に浮かんだが、製品保証を受けられない恐れもあるし、馬鹿正直だけが取り柄だった亡き父にも申し訳ないので、ここはSonnet Technologies, Inc.にありのまま申告した。取り付けた【Sonnet Encore/ST 1.2GHz G4/ 2MB SDR】はもう面倒なので取り外すつもりもありません。(さっそく、担当者からメールを戴きました。内容はシークレットですが、大人の解決。私の中のSonnet Technologies, Inc.は赤丸急上昇です。)
図らずもPower Mac G4 AGP Graphics350MHzのマシンが1.2GHzになってしまった訳である。システム・プロファイルを確認しなければ、そのまま1GHzのマシンでも結構早いなと思い続けていたことであろう。