ボンダイブルーのiMacが初めてリリースされたとき川崎和男氏がMacPower誌上でiMacを酷評されたことがある。その後のG3、G4も酷評しポリタンクと揶揄していた。特に川崎和男氏は、それらの筐体がポリカーボネート樹脂で作られていることを問題視していた。ポリカーボネート樹脂はその成分にビスフェノールAが含まれていることから環境ホルモンの容疑のある素材である。特に食器、なかでもポリカーボネート哺乳瓶の安全性を問題視する人は少なくない。
iMacの批評で、ポリカーボネート樹脂をやり玉に上げていた川崎和男氏であったが、何故かいつの間にかトーンダウンしてポリカーボネート樹脂について言及することを止めてしまった。その真意は計りかねるが、川崎和男氏が連載を受け持っているMacPower誌には毎月付録でCD-ROMが付いてくる。そのCD-ROMの素材はポリカーボネート樹脂である。つまり、環境ホルモン云々を問題視していた記事を載せていたマスメディアがポリカーボネート樹脂を大量にばらまいている当事者でもあった訳である。
建築素材としてポリカーボネート樹脂の使用は、僕の記憶の限りでは1960年代の後半に三菱のユーピロン硝子の名称で銀座四丁目角の交番の窓ガラス、つまり防弾硝子の用途で使ったのが、最初の頃だと思う。Googleで検索した結果、ユーピロン硝子の名称は現在では使われていないようだが、ユーピロンの商標は三菱エンジニアリングプラスチックが保有し、商品名はユーピロン・シートとなっている。
何かの展示会でポリカーボネート樹脂による中空シート「ツインカーボ」を販売している旭硝子にリサイクルや環境対策について伺ったところ、現場加工は原則禁止、工場で施工図寸法に合わせて裁断してから現場に発送し、自社製品に関して建築廃材になった場合は回収してプラスチックのビスなどに再利用しているとのことである。それでも、ゼネコンや解体業者に環境に対する配慮がなければ、それらの回収もままにならない事は予想される。
建築解体の場合は大量の廃材がでるので目に付きやすいが、常々、雑誌や書籍の付録のCD-ROMがどれだけ利用されているのか、見もしないで破棄される可能性はどのくらいあるのか疑問に思っている。僕も出版社の要望で自著にCD-ROMを付けていたことがあるが、既にその必要性はなくなったと考えられるので止めてしまった。僕自身も雑誌のCD-ROMの処分に困っている。CD-ROMを何か再利用できればよいのであるが、情報の鮮度が落ちれば使い道のなくなる代物である。
同じようにCD-ROMの処分に困っている人はいるようでCDメディアのリサイクルがビジネスショー辺りでも話題になりつつある。
それよりも、より環境負荷の少ないCDメディアも考えられている。こちらはトウモロコシ1本からディスク10枚が作られると云うことである。
もう、そろそろゴミにしかならないようなCD-ROMを雑誌の付録にするのは止めたほうが良いと思うのだが、如何なものか。
スーパー店頭の発泡トレー等の回収ボックスやコンピュータショップ店頭のインクカートリッジ回収ボックスのように、書店やレコード店、コンピュータショップの店頭に不要になったCD-ROMの回収ボックスを設けてもらいたいものである。システムさえあればリサイクル可能なのである。
賛成。私も去年4月事務所の引越しのときに古いCD-ROMの処分に困り、結局まだ持ち歩いてます。
5円玉のように真ん中に紐を通したままでおいてありますが、おそらく全長1mを超えているはずです。これだけあると非常に重いし、そのまま燃えないゴミに出すのもどうかと思っているところです。回収のシステムは必要です。