January 04, 2004

Stencil-Font


ステンシルのフォントと云えば、真っ先に思い出すのはコルビュジェの図面に押されたスタンプの書体である。かなり前の事だけど、秋山さんとの雑談で誰かコルビュジェ・フォントを作らないかと云う事が話題になったことがあった。アイデアは面白そうだったが、フォント開発キットへの投資をする者も、フォントを根気よく作成する者も現れず、話題はそのままフェイドアウトしたままだった。

昨年暮れにMacOSX環境でAdobe InDesign を使っているときのこと、MacOS9.2とではフォント環境が全く異なるので、新たに使えそうなフォントを探していたら、偶然にステンシルによるフォントを見つけた。フォント名は【San Diego】、コルビュジェ愛用の書体とは多少タイプフェイスが異なるが、TrueTypeなのでVectorWorksでの加工も可能だ。これから図面にスタンプする図面番号はこれに決まった。

コルビュジェとくれば忘れていけないのがF.L.ライトだ。もちろんF.L.ライト財団の監修によるフォントが作られている。フォント名はEaglefather、ライトのウィンドウのデザインモチーフになっているアレだ。

Eaglefatherと云えば余談であるが、F.L.ライトの(Eaglefatherの窓とかの)コレクターとして有名なのがドミノ・ピザのプレジデントだ、ちなみにドミノ・ピザの本社のデザインはF.L.ライトのプレーリーハウス(そのなかでもロビー邸)をイメージしてグンナー・バーカツが設計している。

Posted by S.Igarashi at January 4, 2004 05:08 PM | トラックバック
コメント

1970年、初めての洋行の折り、パリのエコールドボザールの前の画材屋にコルビジェのステンシルを求めて行った。
パリ在中の先輩にどこで手に入るのか聞いて、あそこならということで行ってみたのだ。
その金属製のステンシル(たしか、この手のものをメタルと言っていたと思う)はあったのだが、そこの女店員が概ね次のようにのたまうのだ。「これはコルビジェのとは違う。お前は日本人か。とにかく、これはコルビジェのとは違う」というのだ。それじゃ、どうすれば、どこにコルビジェのは手に入るんだ、といっても分からない。
とにかく、それでもいいから.....と手に入れた。というわけでコルビジェのとは違うのを持っている。
とにかくデジタル時代のコルビジェ・フォントはちゃんと由緒正しきもんが欲しいですね。もちろんコルビジェと言わない限り、版権もなさそうだし。

Posted by: AKi at January 4, 2004 09:35 PM