October 05, 2003

象の時間、ネズミの時間

哺乳類が一生の間に打つ脈拍数は種が異なってもほぼ同じだという。モーターの寿命も同様である。コンピュータの起動中、ほぼ常に回転しているハードディスクは、壊れやすいデバイスだ。だが、僕が最初に買ったMacPlusの20MB純正HDは10年以上も長生きした。何しろこの20MB純正HDはSCSIではなく外付けFDドライブポートに取り付けるものだった。大型5インチのハードディスクは回転も穏やかで、象の時間を生きていた。それに比較すると最近の2.5インチの超高速回転のハードディスクはまるでネズミの時間を生きていることになる。

今までに壊れたり交換したHDのこれがほんの一部、一番手前の2.5インチHDが昨日iBookから外したもの、その左上のアップルマークのある3.5インチがG4から外したもの、まだ壊れていなかったが3年以上経ったので交換した。その右のケーブルの付いた2.5インチのHDはキャノンのポストスクリプト・レーザーショットLBP-730PSのフォント用で日立製のキャノン純正部品、これは6ヶ月未満で壊れた。

このHDはモリサワフォントを収納するために、八王子にあったキャノン01ショップで確か80,000円で購入したものであるが、プリンター本体が既に6ヶ月以上使用していたため、本体の保証期限が適用され、HDは保証できないという理由で泣き寝入りさせられた。(それでも一年は経っていない。)なにしろLBP-730PSそのモノの保証期限6ヶ月というキャノン御自慢の製品ですから仕方ありませんね。キャノンの本社まで掛けあったが規則ですの一点張りで交渉不能。揚げ句の果てに「HDが日立製ですから、、」と責任転嫁ともとれる発言。それで、汎用のHDが使えないか秋葉原のジャンクショップで同様の製品を買ってきたけれど、汎用品では認識しなかった。これも工場出荷時にキャノンが特殊なファーマットで初期化しているので、それ以外の汎用品は使えないということが判った。そのときLBP-730PSのロジックボードを外してみた分かったことは、ロジックボードがレイアウト的に全然スマートでなく、とても無理のある設計をしていた。そんな設計だからメモリも汎用品は駄目で純正品しか使えない。この点、エプソンや沖電気のレーザープリンタはメモリもHDも汎用品が使える設計になっていて、ユーザー指向にできている。結局は企業姿勢が反映しているんでしょうね。第一世代のBJプリンタのときにも、プリンタドライバの件でキャノンと何度も交渉した経験があるのに、二度も失敗した私がバカなのよね。

ちなみにAppleの第二世代のレーザーライターNTX-JはHDが外付、メモリは汎用のSIMMを使っていたのでMacから外したSIMMでメモリを増設することができた。この外付けHDは6年以上とかなり長持ちした。

そんな訳で、日立のテレビコマーシャルで社長が「ストレージですよ」と言う度に、「笑わせるな、ろくな製品作ってない癖に、、ケッ!」と悪態をつく私である。

何れにせよ、毎日使うものなら3年を目安にHDを交換するのが望ましいと思うが、iPodはそれができない、しかしコンピュータとデータをシンクロさせるのが本来の使い方だから、寿命が尽きてもデータはコンピュータに残る訳なのか。

Posted by S.Igarashi at October 5, 2003 04:14 PM | トラックバック
コメント

そうです。

Posted by: S.Igarashi at October 12, 2003 10:53 AM

この「ゾウの時間、ねずみの時間」というタイトルは、本川達夫という人の中公新書1992ですね。
2000.6.17の放送大学のテレビで偶然見ました。いきなり歌い出したりして不思議な先生でした。
「生きものは円錐形」などの著書があります。

Posted by: yas at October 11, 2003 06:39 PM