私は一度も行く機会がなかったが"Pool Bar"が流行ったのは映画『ハスラー2』の影響とバブルの相乗効果もあった1980年代後半の頃だろうか。それより更に10数年昔に渋谷の公園通り界隈にあった木造2階の撞球場に事務所の先輩に連れられて二三度行った事があるが、その頃はポケットではなく四つ玉が主流だった。撞球場の壁には『初心者のマッセお断り』の貼り紙があり、場末の雰囲気が充満している空間は滝田ゆうの寺島町奇譚に描かれていた戦前の撞球場の雰囲気と大して変わりがないものであった。何れにしろ私は撞球場に通うことも、四つ玉に夢中に成ることもなく、ポケットも知らずに今に至っている。なので...ルールなど一切知らないまま...iPadのビリヤード・ゲーム"Pool Bar"を試してみた。プレイはコンピュータと対戦する一人モードか、リアルな対戦相手と行なう二人モードの何れかを選択する。その際、遊び人風情のキャラからプレーヤーを選べるのだが、う〜ん....どれにも自己同一化する気にはなれない。取りあえずルールも操作も解らないまま...手探りで一人モードのゲームを始めたは良いが、コンピュータ相手にコテンパに負けて"You Lose!"と罵られてしまったのである。iPadの上とは云え遊び人の道もそれなりに険しく才能も必要なのだ...。
Posted by S.Igarashi at August 6, 2010 11:00 PM