わきたさんが「『Kai-Wai散策』と方言周圏論」で『全国アホバカ分布考』を紹介して松岡正剛の千夜千冊 にリンクを張られていた。
その全国分布を読んで福岡の「あんぽんたん」と熊本の「オタンチン」の二つの罵倒語が気になった。「あんぽんたん」は普通に東京でも使われていた言葉で「由来」を見ると上方・語源説と江戸・語源説があるようだ。もうひとつの「オタンチン」は聞いたことはないが、朝日新聞社発行のサザエさん・文庫本版にサザエさん(昭和20年代)の台詞として「オタンチン」が使われていたのを憶えていた。作者は福岡に疎開していたので、福岡に近い熊本の言葉を使ったのかなと思った。しかし、紀田順一郎氏の「9/10//2006 ことば抄・風馬牛と没分暁漢(ぼつぶんぎょうかん)の話」によれば漱石の造語「オタンチン・パレオロガス」について、その「オタンチン」の語源を江戸の遊里にあると書いてあった。尤も、遊里に通った江戸勤めの熊本藩士が国に帰ってから江戸の流行り言葉として「オタンチン」を広めたとしても辻褄は合う、江戸で廃れた言葉が遠く離れた熊本で生き残ったのだろうか。方言の起源が実は江戸にあったと云うのも愉快な噺ではないか。
わきたさん、どうもです。
「オタンチン」は古いサザエさんの漫画で知った訳ですが、変な言葉だったので記憶していました。わきたさんのエントリーから、ん十年ぶりに疑問が解消されました。m(__)m
iGaさん、エントリーのイントロで拙ブログを取り上げてくださり、ありがとうございます。熊本の「オタンチン」ですが、そういうことなんですか〜。僕は東京の言葉と思っていたんですけど、iGaさんの解説で合点がいきました。
Posted by: わきた・けんいち at March 28, 2007 11:10 PM