カムイ伝一部が見つかった。兄が建替えの際に梱包して保管してあったもので、昭和56年(1981)の新聞紙に包まれていたから25年ぶりに日の目をみた事になる。第1巻「夙谷の巻」から第21巻「滄海の巻」まで全21巻である。全て初版で最初の「夙谷の巻」が昭和42年(1967)5月10日発行、最後の「滄海の巻」が昭和46年(1971)10月10日発行である。第1巻「夙谷の巻」は青林堂の雑誌ガロに発表されてから約3年のタイムラグで小学館から刊行されたものだが、第21巻はガロでの連載が修了した年に刊行されている。と云う事で第1巻から40年ぶりにカムイ伝を読み直すことにした。
第1巻を読んで思いだした事がある。それは「テリトリー」と云う言葉を憶えたのはローレンツ等の動物行動学系の本ではなく「カムイ伝」からであった。そのくらい、第1巻は人間社会と自然・動物社会を並列して描いている。
上は第1巻「夙谷の巻」第1章「誕生」の白土三平による後記である。この物語も時代的には「吉原御免状」にも重なっている。雇用体制の矛盾が新たな階級制度を形成しつつある現在こそ「カムイ伝」はもっと読まれても良いのではないだろうか。
Posted by S.Igarashi at December 29, 2006 11:31 AM | トラックバックふる様、コメント有難うございます。
法政の社会学部の講義テキストをまとめた「カムイ伝講義」(田中優子著)も」出版されているくらい、確かに「重厚長大で深遠な物語」ですね。
今になって1960年代という時代がこの物語を作らせたのかも知れないとリアルタイムで読んだ者は改めて思います。
今カムイ伝を読んでいるとこです。
こんな重厚長大で深遠な物語があったのかと驚いています
fuRuさん、そうでしょう。
台詞のない一コマの絵にも力がありますからね。
全集版の第一部13巻から15巻を読み終えました。
かなりヘヴィな心持ちです。
これを全巻制覇するというのは精神力が必要ですね。
わきたさん、どーもです。
そう感じますかね?
まぁ、確かに気合いを入れないと読めない漫画(劇画)ではあります。
iGaさん、このエントリー、むちゃくちゃ力が入っています!!なんだか、文章から伝わってきます。25年ぶりですからね〜。
Posted by: わきた・けんいち at December 29, 2006 09:48 PMそれは残念ですね。
きっと正月休みに炬燵で、じっくり読もうという思惑が外れましたね。
私が注文した全集版は発送が来年になるそうです。
ちょと、悲し。