April 05, 2006

風景殺し・記憶殺し

Kai-Wai 散策: 高田残景を見て、同じようなことが多摩地区でも起きていると思いGoogleMapで調べてみた。衛星写真の下部中央はJR橋本駅、境川は東京都町田市と神奈川県相模原市の都県境を流れる中小河川である。地図を見ると直ぐに解るが橋本付近から下流は河川改修が済んで河川は直線化し、河川を挟んで行政区域に飛び地現象が起きている。一方の上流側は地形に沿って蛇行しており、流域には深い緑が残されている。こうした河川改修が治水の為に行なわれているのか、区画整理と同じ土地利用の為に行なわれているのか疑問である。何れにせよ、躊躇いもなく自然風景を破壊するのは知恵がなさすぎる気がしてならない。

私が住んでいる八王子市の北野街道に沿って流れる湯殿川と云う名の中小河川があるが、この川も館町付近で河川改修が行われようとしている。しかし、子供の頃の記憶を辿ってみても湯殿川が氾濫したことを聞いたことがない。将来的に都市化が進み雨水の全てが河川に流れ込むと云う想定で河川改修をするのだろうか。田畑や森が安全弁の役割をしていた時代が終わり、余白をもたない都市政策の中で数値だけを根拠に行なう河川改修の後に残されるのは荒廃した風景だけである。こうして風景は殺され、記憶も殺される。

Posted by S.Igarashi at April 5, 2006 01:34 AM
コメント

言葉の上では殺風景とか殺伐とか良く使いますが、本当に自分たちが他の種を殺しているという自覚がないですね。近頃、ファンタジー映画が流行るのも、妖精や精霊の棲めない土地に住んでいるからでしょうね。
明治政府から始まった近代化政策の多くは記憶殺しに繋がっていると私は考えています。そうした土壌からこうした言葉が生まれるような気がします。
http://madconnection.uohp.com/mt/archives/000315.html

Posted by: iGa at April 7, 2006 10:15 AM

こうやってGoogleMapでみると、一目瞭然ですね。

Posted by: わきた・けんいち at April 7, 2006 04:18 AM

一時期のやみくもな河川改修の反省からか
親水公園を作ったり、場所によっては三面張り護岸を
ひっぺがしたりなんてことが行われていたと記憶してるのですが
また揺り返しですかねえ。

先日、多摩川をガス橋の上から見たら三面張りやってましたし。

Posted by: かん at April 5, 2006 05:51 PM

飛び地はトレードでもするんでしょうかね。
尤も明治までは八王子も町田も神奈川県でした。
この辺りは商圏からすれば東京都とか神奈川県とかの区別はない地域ですね。コギャルからすれば横浜線沿線の相原、橋本、相模原、町田の行政区域なんてどうでもいいことでしょうね。

Posted by: iGa at April 5, 2006 10:10 AM

境川の飛び地はもの凄く、神田川の比ではありませんね。驚きます。

Posted by: masa at April 5, 2006 02:53 AM