「ケータイを持ったサル」の著者・正高信男氏がNHK人間講座「人間性の進化史〜サル学で見るヒトの未来」『なぜ「キレる」のか』に於いて、PCや携帯電話等、IT化の進展普及で言葉でものを考える習慣がなくなったことがキレる要因になっていると云う意味のことを言っていた。そして、カミュの異邦人に描かれた主人公・ムルソーを引き合いに出して、殺人の理由を「太陽が眩しかったから」とする言語化されていない映像のフラッシュバックでしか説明できないムルソーを現代のキレやすい若者像に重ね合わせていた。
この、正高信男氏の理論は、現実を現実として言葉で理論的に整理して受け止めないと、恐怖体験がフラッシュバックとして蘇ると云う、PTSD(心的外傷後ストレス障害)にも当て嵌まるような気がする。